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これからのゴルフ場運営

コロナウイルス対策によって見えてきた将来のゴルフ場の在り方

コロナ禍が巻き起こり、多くの企業が休業や著しい売り上げ減少など、大きな打撃を受けました。


そのような中でゴルフは屋外スポーツであったこともあり、ハウス及びレストランの閉鎖やスループレーなど、その有り様を変化させることで、一定の来客者を確保できました。しかも、来場者が増えたゴルフ場もあるのです。 来客者の中には、若い世代や、一旦ゴルフから離れた方も戻ってきたり、と今まででは見られなかった現象も見受けられます。


         

では他の国ではどうでしょうか?

アメリカにおける 2020年ゴルフラウンド数前年対比(%)

Soource: Golf Datatech; NGF analysys

ゴルフ大国アメリカでは・・・

今年の前半、アメリカのゴルフ場ではCOVID-19に関連し、一時は2000万人のラウンドを失ったとされています。


しかしながら、通年で見た場合、前年比において、その数値は6月以降大きく回復し、特に、6月~8月の夏期、昨年比で2700万人も来場者が増加しました。


このトレンドは、良好な天候も味方し、今後も続くことが予想されています。

その他のトピック

  • ジュニアゴルファーが増加しています。
    第一四半期はほぼ昨年同様でしたが、第二四半期からその数値が大きく伸びています。数々のスポーツが活動停止を余儀なくされる中、ゴルフは「安全で、健康的な屋外活動」として、また、家族と過ごす活動としての側面が評価された結果といえるでしょう。
  • 第ニ四半期におけるビギナーの増加、リターンゴルファーの増加はめざましく、近年と比較するとおよそ20%増加しています。
  • ゴルフ用具の販売がめざましく、8月においては昨年の2億5000万ドルから大幅アップ、3億3000万円の売上を記録しました。

Source: National Golf Foundation, "Rounds +6% Over 2019 Pace," "Record August Sales for Golf Equipment," "New Faces On the Course"

まずは体制作りから。
何が必須か?

手を伸ばせばそこにある、取り組みやすい身近なものとして存在するために
マイナス成長の時にも耐えられるような、 「サステナブルな姿で存在し続ける」ために
まずは体制作りから

安定した質の18ホールを長期的に提供し続けること

 

固定的な施設や、サービスのうち、ゴルフに直接関わらない物、クラブハウスやレストランをできるだけシンプルに。

ゴルフ場がハウス内で提供するサービスをできるだけシンプルに。

来場、退場時のバッグの積み卸しなど、お客様の導線において、自然にサポートを受けられるように工夫する。

固定的な概念を取り除き、柔軟な思考性で!

コロナによって強制的にもたらされた“あたらしい”運営方法によって、新しいプレイヤーと出会ったゴルフ場は数多くあります。ならば、さらに工夫を凝らすことによって、より多くのプレイヤー、 今まで来場しなかった潜在的なゴルファーとの接点が見いだされるのではないでしょうか。

  • お客様の声に耳を傾ける
  • お客様が気楽に参加できるように
  • ゴルフ場の都合で、硬直化したスタイルを提供しない
  • 柔軟な運営スタイルで、いろいろなお客様のニーズに合わせられるように
    
   

具体策のヒントは
アメリカのゴルフ場に!

日本ではそのロケーションなどから多くのゴルフ場が、一日かけて(コースに少なくとも6時間以上)楽しむ場所と考えられています。 時代の流れを考えると、このままでは他の趣味などに比べて、その競争力が著しく落ちてしまいます。ゴルフだけを一日かけて楽しんでいた考え方は過去のこと。 ゴルフはしたいものの拘束時間が長すぎる、家族との時間がとれなくなる、他の趣味にも時間を使いたいなど…と言った声を聞き入れない限り、ゴルフは過去の遺物として取り残されていってしまいます。

クラブハウスのプロショップで受け付け、前払い、フェアウェイ走行によるスループレイが
メインのアメリカのゴルフ場から その方法を見いだしてみましょう。

プレイスタイル

  • スループレイの導入
    コース滞在時間の短縮がはかれます。
  • コース乗り入れの導入
    プレイ速度がアップし、また、ボール~カート道間の移動がなくなるため、 疲労感を軽減することができます。
  • 柔軟なプレイスタイル
    18ホールにこだわらない、ハーフプレイや6ホール単位のプレイ。(参加し易く、時間を有効に活用できる)
      

クラブハウス

  • できるだけシンプルに前金制(精算機)等の導入。
  • 例:風呂が必要性を再検討しシャワーのみの利用、ロッカー使用の自由化!
  • チープな感じを持たせない。

飲食

  • レストランを使っても使わなくてもよいスタイルの導入。
  • スループレイとリンクし、昼食はプレイヤーの自由に任せる。

ゴルフ場によっては、売上高確保を目的として昼食休憩を強いるところもありますが、例えば4時間かけて18ホールをラウンドしたお客様は、 特に強制しなくても、美味しければコースで食事をするのではないでしょうか?

コース管理

  • 管理しやすいレイアウトにすることによって、過剰な人件費、管理にかかる時間を削減します。
  • ほとんどのゴルフ場では天候不順時を除き、カート乗り入れが行われているため、強い芝、適切な土壌が必要です。

コースを美しく、そして優しくすることもスピードアップの大切な要素です。

  • フェアウェイを広くし、OBゾーンを少なくする。
  • 幅広いお客様に遡及する工夫。例えば、ビギナーDAYなどでカップを一回り大きくし、
    入りやすくする。楽しくてスピードアップにつながる。
   
   

まず、いろいろな施設、設備を再点検、できるだけシンプルな形に
ゴルファー数を多く、門戸を拡げていくためには、柔軟性や工夫が必要です。

積極的にフェアウェイ乗り入れを増やすことで、ボールまで歩く距離が短くなる

  • シニアが一日でも長くプレイできる環境作りが必要です。
  • プレイ速度が速くなり、時間の有効活用につながります。
  • 夏場(厳しい環境下)などでも身体への負担が少なくプレイすることが可能です。
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スループレイでゴルフ場滞在時間をミニマム化する

  • ゴルフが終わった後に家族と出かける時間が取れれば、ゴルフ場にもっと来やすくなります。
  • 忙しい人はラウンド終了後即帰宅。残った仲間とコースでゆっくり食事。
  • 渋滞前に帰れるのなら、身体への負担が減るので、回数が増えるかもしれません。
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6ホールプレイを提供する

  • そのために出かけることは難しいかもしれませんが、旅先で1時間程度、テレワーク時の始業前に、
    そんなゴルフを楽しむこともできるはずです。
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これらすべてのことが、ゴルファー数、ラウンド数の向上に繋がるはずです。

コロナ禍に於いて偶然に起きた数々の現象!今までゴルフ業界がいろいろな方法で取り組んできた新規顧客の獲得策も、 なかなか結果として現れずゴルフ人口が年々減少していきました。現在いろいろなメディア、雑誌等で取り上げている若年層を中心としたゴルフ参加率増加のニュース…これらはゴルフ場運営がどうすれば新たな顧客層にアピールできるかの最大のヒントになったのではないでしょうか。


今ゴルフ場が変わらなければ、折角出てきた待望の芽を摘んでしまう事になりかねません。
チャンスはピンチの後にやってくる!この機会に積極的に取り組んでみましょう。